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忘れられぬ人-part3-
3人目:女の敵
探偵社の取り扱う案件の殆どは民事
TVや小説のような刑事事件はそう多くない
本題に入ります
依頼者さんは30代女性
ごくごく普通の女性
相談内容は金銭問題
最初はありがちなお金の貸し借りと思われた
ちょっと違ったのは
貸した金額が
何と
15,000,000円以上
個人間で1千万を超える金額の貸し借りは珍しい
結婚を前提に付き合っていたが
彼氏の事業がうまくなく結婚するまでにきっちりしておきたいということで
数回に分けて貸したらしい
貸した側にも問題があると思うかもわからないが
借りて返さない人間の罪は許されない
挙句、音信不通になったというもの
対象者情報はというと
住んでいると思われるのは関東地方某県
名前な偽名の可能性あり
年齢は自称38歳
使用車両は不明
(デートの度に変わるのでレンタカーと思われる)
携帯電話番号
(解約済み)
慎重:約185センチ 体重:がっしりした体型
写真は識別不能なプリクラ1枚
相手の素性をあまり知らないで大金を貸すのを不思議に思うかもわからないが
俺はその辺についてあまり聞かない
「信用してしまった」という答えが返ってくるに決まっているし
貸してしまった結果を責めても、何の解決にもならない
とにかく相手を見つけることが先決
調査に取り掛かる
調査方法の詳細は明かせないが
ほどなく対象者と思われる男性の存在がヒットした
対象者の写真を数枚撮影
遠方ということもあり、携帯電話の画像にて確認して貰うと
「間違いありません。彼です。」
という返事
早速、身辺調査に移行するのだが
撮影時の様子
「出てきませんねー」調査員
「もう出てくるさ」俺
「あっ、玄関扉が開きました!」
「お、出てきたかな」
「あれですか?」
「う〜ん。」
「違いますよね、いくら何でも実業家には見えませんよ」
「わからんが、とりあえず撮っとけ」
「はい。」
「う〜ん。情報では30代の男は対象者しか住んでないはずやが」
俺たちが見た対象者の姿
それは
例えるならば
作業服姿のカバ
強引に判断すれはワイルドっぽくもないが・・・
とにかく、対象者には間違いない
尾行と平行して身辺調査に入る
使用車両は古いブルーバード
間もなく、氏名・年齢・家族構成が割れた
このカバ、家族持ちで子供も2人いる
さらに養子であることも判明
尾行を繰り返すも、作業服で出かける割に出勤しない
行くのはパチンコ店・漫画喫茶・テレクラ
しょうがないので、家族に聞き込むと
「○○運送で働いている」とのこと
勤務先に確認すると、数ヶ月も前に辞めているとのこと
数日後、このカバが漫画喫茶にてスーツ姿に着替え、出てくるのを確認
尾行を続けると
1人の女性と待ち合わせ
※
女性:30代後半
食事後、ホテルに入る
「このカバ、結構もてるんですね」調査員
「みたいやの〜」俺
見かけはカバっぽいが、いかにも善人風
こんなとこがモテる原因なのか・・・
一通り、依頼内容は調べた
調査終了しようと思ったが、やはり気にかかることが
「この女のヤサ(自宅)割れ」
「話ししてみる」
「はい」
その日の夕方にはヤサが割れ、思い切って訪ねてみる
最初は驚いた様子でしたが
某結婚相談所で知り合ったこと
結婚を前提に付き合っていること
この2点だけ教えてくれた
そこで、依頼者に連絡を取り
こちらの持つ情報をいくつか伝え、さらなる聞き込みをしたいと提案
快く承諾してくれた
そこで、彼が妻帯者で子供も2人いる事実と金銭の貸しがないかを聞くと
やはり
貸しているとのこと
手口も同じ
全てを察したこの女性はすぐに何かしらの手を打とうとしたが
ちょっと待ってくれと制止
依頼者さんに連絡を取り、対象者と接触を取る了解を得た
この女性にも、動くのを1日だけ待って貰った
翌朝
対象者が出かける前に踏み込む
お子さんには聞かせたくない話しであり旦那さんが出て行くことは許さないと伝え
お子さんが登校後、対象者・奥さん・両親の4人と話をすることに
「旦那さん、私が何を話しに来たかわかるよな」俺
「わかりません。会社がありますので失礼させて頂きます」対象者
「何処へ出勤するんでっか?全部調べてあるから」
「・・・・・・・・・・・・・」
「どういうことですか?」奥さん・両親
「自分の口で言いなさい!」
「何も・・・・・・・・・・」
「じゃあ、このまま警察に行きます」
「えっ!?何をしたの?」
「・・・・・・・・・・・」
カバが何も話さなくなり、しょうがないので俺が全てを話す
後は依頼者さんに電話をかけ
お金の話し、刑事事件にするか否かの話しをして貰う
全額返却(慰謝料別)になったのは言うまでも無い
もう1人の女性にも連絡を取り
後は好きにして下さいと伝える
俺はプロの探偵社
冷たいようやが、依頼者の利益以外興味は無い
その女性がどうしたのかは知らない
真実は調べてみないとわかれへんということですわ
最後に
このカバ
騙した金を毎月末
前勤務先名で自分の口座(奥さん管理)に振り込んでいたそうです
第二百四十六条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
ちなみに結婚詐欺罪という罪はありません
全てが、詐欺罪に含まれます
犯罪の立証の中で詐欺罪ほど立証困難なものはない
最初から騙すつもりだった・・・・
それを立証するのは至難の業
今回のように被害者が複数の場合は立証も可能に
皆さんも詐欺だ詐欺だと騒ぐ前に
同じような被害者の存在を探すと良いケースが多いです
最初から騙すつもりはなかったけど
同じような詐欺行為を複数人数に
警察でも裁判所でもこれは通りません
忘れられぬ人:3人目
仏顔度★★★★★
ヘタレ度★★★★★
満足度★★★★★
告訴状の提出:未確認

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