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腕白 -wanpaku-

 

番長の実家が営んでいた店の裏に警察学校がある

 

今は

 

施設の周りにフェンスで囲まれ入ることは出来ない

 

遊び大好きの番長は

 

ある日

 

近所の友達といつものようにグラウンドへ

 

警察(レインジャー部隊?)とかが訓練するロープが張ってあって

 

サーカスの綱渡りみたいなやつ

 

高さは7〜8メートルってとこかな

 

落ちても大丈夫なように下部にはネットが広がっている

 

日頃よりそのロープで訓練している様子を見ていたが

 

そんな楽しそうな遊び道具を番長達がほうっておくことはない

 

「おい、あれ登って遊ぼうや」番長

 

「やろ、やろ!面白そう〜」友達

 

はしごを登る、登る

 

その上から見る景色地上とは違って警察学校全てが見渡せる

 

めちゃめちゃ気持ちええ

 

「落ちてもネットがあるから大丈夫やから渡ろうや」番長

 

「ジャンケンで順番決めよ!」友達

 

警察官の訓連用の高いロープを小学生のガキがぶら下がりながら

 

ゾロゾロ渡る

 

で、中央付近までくると

 

次々と

 

飛び降りる

 

「ボヨヨ〜ン」って感じで落ちる

 

非常に楽しい

 

めちゃめちゃ楽しい

 

又、ぶら下がって進む

 

その時

 

警察学校の校舎に設置されたスピーカーから

 

おい!そこの子供!

危ない!

やめなさい!

 

絶叫に近いアナウンス

 

番長達はというと

 

「あれ?何か言うてるで」番長

 

「わからん。無視、無視」友達

 

さらに

 

すぐに戻りなさい!

危ない!

 

「うるさいの〜、あのおっさん」番長

 

中央付近まで進んで、次々

 

飛び降りる

 

ああーっ!

職員!グラウンドに出て

子供を確保して下さい

 

番長達は我関せず

 

また登る

 

警察学校官舎から警察官7〜8人が必死の形相で走ってくる

 

頂上付近まで登った所で警察官達が

 

危ないから降りなさい!

 

番長達は

 

「何で?危なくないよ」

 

「面白いのに」

 

警察官は

 

とにかく降りなさい

 

無視してぶら下がる

 

そして

 

また

 

飛び降りる

 

そこで警察官達に確保

 

捕まる

 

「何すんねん。」

 

抗議するが抱きかかえられ警察学校内に連行

 

校長室に連れて行かれる

 

そこに待っていたのは当時の警察学校長

(警察署長クラスの人で60歳くらい)

 

ソファーに座らせられ、ジュースを出して貰う

 

「危ないからあれには登ってはダメ」校長

 

「何で?皆登ってるやん」番長

 

「あれは警察官の訓練に使うものだよ」

「ロープを使って降りる訓練をする道具です」

「だから、誰も飛び降りないだろ?」

 

「うん、飛び降りへん。」

「でも、飛び降りたほうが早いし、楽しいやん」

 

「あれは飛び降りるために作られたものじゃない」

「ネットも細いから破れることだってある」

「今度からはあれには登ってはダメです」

 

「う〜ん。わかった」

 

「じゃあ、おじさんと約束しなさい」

「野球やサッカーはして良いからね」

 

「わかった、約束するわ」

 

今、考えたら非常危ない

 

でも、子供にとっては格好の遊び道具にしか見えなかった

 

それから暫くすると

 

中核派や何やらで学校にはフェンスが張り巡らされ

 

入ることは出来なくなった

 

校長が変わってから近くの子供会に開放することもなくなり

 

野球大会等で使うこともできなくなる

 

近所の子供が警察学校のグラウンドで遊び

 

生徒さん?に野球やサッカーを教えてもらう

 

そんなことも無くなった

 

つまらん時代やの

 

数年前にその時の校長に会って話しをする機会があった

 

昔話に花を咲かせ

 

古き良き時代の話をした

 

でも

 

ロープから飛び降りた子供は番長達だけだったらしい

 

元校長は

 

あの時の子供が探偵か・・・

 

腕白小僧が探偵

 

考えたら

 

番長が子供の頃やってたことと、今やっていること

 

そんなに違わないと思う(笑)

 

危ないかもわからんけど

 

とりあえずやってみる

 

探偵にとって必要なことやないかな

 


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